古希記念幸清会

かなり厳しいコンディションだったので、止めようかとも思ったのですが、いやいやこの一瞬は今しか得られない、と思って出動です。
、、、しかし、ちょっとまだ上手くまとめられません。
また、後でメンテか、別エントリかな。


とりあえず、今、言えるのは、、、
最後の「桧垣」がたまらなくよかった。
コンディションが悪かったので、ちょっと集中力が切れると落ちてしまったのですが、最後の「桧垣」の後シテの舞以降は、眠気が完全に飛びました。
素晴らしい!
小鼓の一打ち、動作の小さな舞、そのどちらもが、、、染みる。
あまりの美しい絵に、アタクシ、涙しました。
いや、素晴らしく美しい、という思いで泣いたのは、初めてです!


能を見よう、と思うようになって、今、この場にいられて、なんて幸せなんだろう。
そう、本気で思いましたね。
極端な話、生きるって素晴らしい、と言える経験の一つです。
なかなか人には伝えづらいですが。




さてさて、後から補記です。


最悪のコンディションで、臨みました。
開演10:00に間に合うように行き、、、いきなり、終了予定19:30にショックを受ける。
とても高価な睡眠薬、、、そんな言葉が頭をよぎります。


まあ、コンディションが悪いので、覚悟のうちでしたけど、、、。
もーね、こんなロジックです。

  1. とても能を見るコンディションではない
  2. やめちゃおうかなぁ
  3. しかし、切符が勿体ないですし
  4. これを見逃したら、いつ見られるかわからんし
  5. やめちゃうくらいなら、見所で寝ても同じだし

ということで、向かいました。
はい、不心得モノです。


休憩は、、、あるの?
初の脇正面。
とはいえ、今までは、、、
中正面・正面・中正面で、今回ですけど。

卒塔婆小町 一度之次第

今年の1/28に、教育テレビでやってたのですね。


卒塔婆に座っている老婆を、僧がとがめる。
が、老婆は言い負かしてしまう。
歌の才まであるのに僧が驚いて名を問うと、小野小町のなれのはて、と。
今の境遇を悔い、狂乱。
深草の少将が憑き、百夜通いのさまを見せる、、、。


ストーリーは追えました。
、、、が、来たことを少し後悔しました。
眠気と戦うこの辛さ、それにつきたかも。

舞囃子 高砂

助かりました。
老女物は、やはり今のコンディションでは意識を保つのが厳しい、と実感。
力強い舞、意識が回復しましたね〜。

能 鸚鵡小町

帝の歌を頂いた、老いた小町。
「ぞ」が返歌と答える。
どういうことと聞かれると、もう一度帝の歌を詠むよう頼む。
その「内やゆかしき」が「内ぞゆかしき」で返歌だと答える。
感心して「こんな方法があろうか」と問うと、
古来よりの鸚鵡返しという返歌の方法だと答える。


、、、とてもとても申し訳ない!!!
ほぼ完全に落ちました、、、。
肝心の舞を、、、なんてことを、、、。
くー、へこみまくり。
印象に残ってるのは、シテが引き上げるときの、杖の音。
見所が静けさに包まれていて、その僅かな音が響く。
能って良いですねぇ。
と、しみじみ思いました。

素囃子 延年之舞

大鼓、小鼓、笛の共演。競演、、、饗宴?
いずれにしても、見事です。
楽しい時間でしたね〜。

姨捨

都人が月を愛でようと、姥捨山に登ると、若い女が現れる。
旧跡があると教え、消える。


中入りして、アイが云われを語るんですが、、、
なんとなんと、野村萬さんなのに、、、寝ちまいました、、、。
くー、分かりにくいとかじゃなかったのに、、、
だめですねぇ。


後シテ、装束の美しさ、舞の優雅さ、、、なんと見事か。
なのに、、、これまた意識が途切れがち。
ただ、相当もったいないことをしている、という気持ちが舞を見せてくれました。
なお、地謡ヒアリングは、、、1%くらいか?
残ったのは、舞のみ、です。
この舞、正面で見られないのが残念に思いました。

独調、一調

面白かったです。
様々に、いろいろな表情があり。
が、なんとか起きてる、というところ、、、。

能 桧垣 蘭拍子

水を運ぶ老女が、僧に弔いを頼み消える。
消える先が、作り物の中、というのがびっくり。
でしたが、これまた地謡ヒアリング率が相当悪く、さっぱり。


ああ、これで終わる・帰れると、本末転倒なことを考え、
また、意識が落ちかけていたのですが、、、。
アイは、山本東次郎さんだったのに、、、。


後シテの舞が始まると、、、
その所作の美しさ。
それに、後シテの装束の上品な色使いを持つ美しさ。
また、小鼓のみになる部分もあるのですが、
その時の小鼓の一打ちの染み入ること、
呼応した舞の美しいこと。


あまりに私の好みです。
照明の角度がなせる陰影と、装束・面の表情、
そして、小鼓と所作の音と動きのアクセス。
この組み合わせのなせるものに、涙ぐんでしまいました。
あまりに美しい、と思って泣いたのは、初体験です。
姥捨では、正面にいたかった、と思ったのですが、
桧垣のおかげで、この日は脇正面が最高、と思いました。


桧垣の後シテの舞からは、眠気なんざなくなりました。
「帰りたい」と思ってたのももちろん吹き飛んで、「いつまでもこの時間に浸りたい」となりました。
いやはや、、、驚きです。
もー、終わるのが残念で、残念で。
最後に、桧垣のままの地謡から祝言があって、終了です。


いやはや、桧垣、素晴らしいです。