スケートなぜ滑る?(新聞記事から)

摩擦融解・擬似液体膜・凝着・・・


わかってないんだそうです!
へーーー!!!
「氷の表面が今、活発な研究分野になってきた」とな!
私には面白いので、引用です。
朝日新聞の勝田敏彦氏の記事。

スケートが滑る理由の説明の歴史

1886年 ジョリー(英)  圧力融解説
1939年 バウデン(英)ら 摩擦融解説
1951年 ワイル(米)   擬似液体膜潤滑説
1976年 対馬勝年(日)  凝着説
(富山大・対馬教授のまとめを改変、、、を引用)

圧力融解説

私が信じてたのですね。

  • 細いブレードにかかる体重で氷の表面がとけて水になり、床に水をまいたように滑りやすくなるため
  • 圧力を加えると氷がとけ出す温度(融点)が下がる水の特別な性質に着目したもの
  • 1886年に英国のジョリーが提唱

ところが

  • 圧力で融点が下がる効果は小さく、零下30度の極寒でもスケートができる理由がうまく
  • 普通の靴を履いても滑りやすい理由も

説明できないそうな。

摩擦融解説

  • スケートと氷の摩擦で発生する熱で氷がとける
  • 1939年に英ケンブリッジ大のバウデンらが提唱
  • 多くの実験事実と良く合う

  • 氷の上で止まっていても滑りやすい理由をうまく

説明できない等の問題点があるそうな。

擬似液体膜潤滑説

  • そもそも氷の表面には気温が零下でも薄い水の層があるという説
  • 1859年に英国のファラデー(電磁誘導の発見で有名)が氷塊同士がくっつく理由として提唱

したのを

  • 1951年に米国のワイルが滑りに応用


これらに共通するのは「水があるから滑りやすい」という考え。
一方「滑りに液体の水は必要ではない」と主張するのが

凝着説

  • 1930年代、一般の固体同士の摩擦を説明する説として有力になった説

を氷に応用

  • 1976年に富山大の対馬勝年教授(雪氷物理学)が提唱

フライパンに塗られるフッ素樹脂などが滑りやすいのと同じ原因、とな。


対馬教授によると
「圧力融解説は間違いで、海外では摩擦融解説を取る人が多い。
 私は凝着説に自信を持っているが、状況は混沌としており、
 決着には時間がかかるだろう」
とのこと。


こういう、身近な不思議は大好き!